シニアがブログでモノローグ

このままでは年を取って死ぬだけ。ブログでもやってみよう。

エネルギー=質量欠損×光速の2乗

前回のブログで核分裂について触れた。

 

身の回りで生じる化学反応は単にいろいろな原子が組み替わるだけだが、核分裂原子核が分裂して原子そのものが別の物質に変わってしまう。

 

核分裂が起きると原子核の質量が少しだけ減って、その分がエネルギーに変わる。

そのことを見事に「エネルギー=質量欠損×光速の2乗」という明快な式で示したのが、かの有名なアインシュタインだ。

 

物質が減ってエネルギーに置き換わるというのだから、最初は理解しがたいものだったろう。

今では物理学のシンボルとして知られる等式だ。

 

ウランの原子核中性子がぶつかって核分裂が生じると、新しい中性子が出てきて他のウランの原子核にぶつかる。

というように連鎖反応が生じると無数の原子核が分裂する。

一つの核分裂からは極めて微量なエネルギーしか発生しないが、連鎖反応が生じるとエネルギーは莫大なものとなる。

 

上記の「エネルギー=質量欠損×光速の2乗」という式でウランの質量欠損が1gのとき、発生するエネルギーはおよそ下記のようになる。

エネルギー(J)=1/1000(kg)×300000000(m/S)×300000000(m/S)

これを計算すると、発生するエネルギーは90兆Jになる。

 

エネルギーの単位のジュール(J)はピンとこないのでカロリーに換算すると、

90兆J÷4.184≒215億kcal

ウランの1gの質量欠損は、およそ2億リットルの0℃の水を100℃に上げるエネルギーに相当する。

わかりやすくいうと、1億人が2リットルのペットボトルに冷水を入れて持っているとき、瞬時にすべてを沸騰させてしまうエネルギーだ。

 

島型の原爆で約0.7g、長崎型の原爆で約1gの質量欠損があったと推測されている。

換算すると核分裂したウランは1kg前後になる。

 

終戦の日と原爆の日

残暑が続く今日、8月15日は太平洋戦争の終戦の日

終戦したのは77年前のことだから、今では80歳以上くらいの人でなければ戦争の記憶はないだろう。

戦争を体験していない世代としては、戦争をしてはいけないことに想いをはせなければならない。

 

今月は終戦間際に原爆を落とされた月でもある。

被爆国の一員として、1945年8月6日8時15分に広島、9日11時02分に長崎に原子爆弾が投下されたことくらいは頭に入れておこう。

それぞれの日を一般的な呼び方として、広島原爆の日(広島平和記念日)、長崎原爆の日という。

 

化学反応に比べて核反応はとてつもない熱エネルギーを発生させる。

上空数百メートルの高さで原子爆弾が爆発して生じた火球の温度は百万度、地上の温度は3~4千度になったというから、熱線を浴びた人や物は焼き尽くされた。

熱線だけではない。

爆風や放射線にも襲われた。

 

戦争を早く終わらせようとして原爆を投下したとアメリカ側はいうが、割り切れないものを感じる。

一瞬にして何万という民間人が犠牲になるような兵器はやはり人道に反するものだ。

 

原子爆弾の恐ろしさが広島と長崎で確認されてからも、原子爆弾は戦争の抑止力になるという名目で製造され続けてきた。

チンピラが刃物をちらつかせるような風でもあるが、人間の愚かさなのだろう。

 

核兵器禁止条約に唯一の被爆国である日本でさえも不参加なのだから・・・どうしようもない。

今日は水の日

8月になる。

1日の今日は水の日、今朝の新聞で知った。

1977年に制定されている。

8月は一番水を使う量が多い月で、8月の最初の日に節水を呼びかけようと1日を記念日にした。

 

きれいな水は入浴,洗濯,調理,手洗いなど日常生活になくてはならないものだ(家庭用水)。

利用する水の多くは水道水。

一人一日平均の家庭用水量は200リットル前後になる。

2リットルのペットボトルだと、100本分(昔風にいえば、一升ビン111本分)を一人が一日に使っている。

 

無駄はないか?

 

水道水は河川,湖沼,地下水などが水源。

水源が枯れたりすると水の有難さを思い知らされることになる。

水源の水は浄水場へと送られる。

浄水場では,沈澱池で浮遊物や泥を沈澱させる。

次に,濾過池で砕石,砂利,砂の順に重ねた層を通して水を濾過する。

最後に塩素を水に溶解させ,残っている細菌を消毒する。

こうしてきれいになった水が各家庭に配水されている。


水道水は健康を害しないよう水道法で水質基準が定められている。

主な基準は以下の通り。

(1)病原生物に汚染され,または汚染されたことを疑わせるような生物,もしくは物質を含むものでないこと

(2)シアン,水銀その他の有害物質を含まないこと

(3)銅,鉄,フッ素,フェノール類その他の物質をその許容量を越えて含まないこと

(4)異常な酸性またはアルカリ性をしめさないこと

(5)異常な臭気,味をしめさないこと,ただし,消毒による臭気,味を除く

(6)外観はほとんど無色透明であること


水が汚染されていると腸チフス赤痢など水系伝染病の発生する恐れがある。

教科書的には,ブロード・ストリート事件が有名だ。

1854年の夏,ロンドンのブロード・ストリートでコレラによる死亡者が異常発生。

死者は700人以上を数えた。

 

この事件は伝染病が発生したということだけでなく,その発生源をつきとめて対策を施し、流行を鎮めたことで知られている。

英国人の医師ジョン・スノーがコレラによる死者が発生している場所をプロットしてみたところ、ブロード・ストリートにある共同井戸の周辺に多数の死者が発生していることを見出した。

患者たちの多くはその井戸水を飲料水として利用していたので,何か関係があるのではないかと疑って井戸を使えないようにしたところ,コレラの発生が劇的に少なくなったのだ。

(後になって、汚水が井戸に流れ込んでいることが確認された。)

 

コッホがコレラ菌を発見する30年前の出来事であったにもかかわらず,患者の分布を示した疾病地図をもとに病気の原因を検討し,推測される原因を除去して伝染病の流行を食い止めたことは疫学上の大きな功績として語り継がれている。

 

水が嫌いという人はいないだろう。

水は私たちの身体にとっても、欠かすことができない。

1日に2.5リットルくらいの水分を身体が出し入れしていることは2020年6月4日付のブログ(「水をください」)にも記している。

 

 

ビュッフェを楽しみながらプロ野球を見る

自宅から歩いて30分程度のところにプロ野球パリーグ球団の本拠地球場がある。

たまに見に行く程度だったが、最近、球場内にビュッフェがあることに気がついた。

 

それまでは、プロ野球観戦の日は以下のような手順を踏んでいた。

試合前の練習も見たいので、少なくとも試合開始1時間前には入場できるよう早めに家を出る。

入場する前に野球場に隣接しているショッピングモールで弁当と飲み物を調達(本当は持ち込み禁止なので、良い子はマネをしないように)。

入場後、着席して間もなく、ビールの売り子を呼び止めて生ビールを買う。

試合開始を待たずして、ビール片手に弁当を食べ始める。

 

というような具合だが、ご存知のように野球場の座席は密に並んでいて窮屈になりがち。

隣の席で物静かに観戦している知らない人の横で、いいおじさんがムシャムシャ飲食するのも気が引けるときがある。

 

そんなときに見つけたのが野球場内にあるビュッフェ。

専用のエレベーターに乗って上層階に行くとビュッフェがある。

初めて利用したときは、野球場内にこんな広々とした空間があったのかと感心した。

 

それまで利用していたプラスチック製の内野席などとは異なり、席は柔らかくひじ掛けとテーブルがついている。

それとは別に、居酒屋にあるような座敷もある。

 

入場してすぐにジュースやお茶を飲めるときもあるが、試合開始1時間前になると通路の片隅に料理が並び、食べ始められる(アルコール飲料は有料)。

トレーに料理を取って観客席に戻る人や座敷に上がる人など様々。

座敷にはテレビが設置されているので、野球中継を見ながら食事している人もいる。

試合が始まって序盤が終わると、デザートが料理と並行して提供される。

 

試合の観戦そのものは、ビュッフェが外野の上層階にあるのでグラウンドが少し遠くて野球場内全体を俯瞰するようにしか見えないが、十分に楽しめる。

 

意外やチケットはリーズナブルな値段で買うことができる。

実は、昨日もビュッフェを利用してきた。

 

・・・・・。

プロ野球を見に行っているのか、食事をしに行っているのか自分でもわからない。

 

歌舞伎を見る

ブログの話題を考えていたら、ふと歌舞伎を見に行ったことを思い出した。

先月のことになるが、妻に誘われて市内の劇場に行ってみた。

 

今までに経験した中で最高な金額の入場料を払ったような気がするが、とかく文化を享受するにはお金がかかる。

 

若い頃に、誰かにいただいたと思うが入場券を持って妻子と一緒に歌舞伎座に行ったことはある。

子どもがまだ幼かったので、係員は子どもと一緒の入場に難色を示した。

仕方がないので、子どもと一緒にロビーかどこかで時間を過ごしたという記憶がある。

 

ということで、今回、見に行った歌舞伎が私にとって初めての経験。

観客には和服姿のご婦人もいれば、車いすに乗って人生の最終ステージを迎えているようなご老人もいた。

教師に連れられ、社会科見学で来たような中学生の集団もいた。

 

歌舞伎の演目は「橋弁慶」、「鷺娘」、「義経千本桜」の三本立て。

 

「橋弁慶」は牛若丸と弁慶が五条の橋の上で出会う場面を演じたもの。

弁慶が通行人を通せんぼする話を小さい頃に聞いたことがあるが、ここではその逆で、通せんぼしている牛若丸に弁慶が挑む様子が演じられていた。

 

「鷺娘(さぎむすめ)」はハニートラップにかけて金銭を巻き上げる詐欺師の娘のような話ではない。

人間の姿に身を化した鷺が本物の人間に恋して苦悩し、悶え死んでしまうという舞踊。

尾上菊之助が一人、華麗な舞を披露していた。

 

義経千本桜」は義経がずっと主役で出てきそうなタイトルだが、そうではない。

幾つかの話に分かれていて、当日見たのは寿司屋での一幕。

源氏に追われた平家の維盛(これもり)を寿司屋の主人がかくまっているところへ放蕩息子の権太(尾上菊五郎)が金の無心に現れ、一騒動起きるという話。

 

歌舞伎役者の演技もさることながら、舞台の後ろで奏でられる三味線や鼓による演奏も息が合っていて見事だった。

歌舞伎など子どものころは見向きもしなかったのに・・・歳を重ねるとこうなるのか。

 

 

宇宙は果てしない

前回のブログで宇宙の広大さについて触れた。

あまりの広大さに気を失いかけたが(毎日の暑さで頭がぼーっとしただけだが),我慢してもう少し具体的に宇宙の大きさを調べてみた。

 

宇宙の大きさについての記述によく出てくるのが,ハッブルの法則

アメリカの天文学者ハッブルが20世紀前半に望遠鏡をのぞいて発見した法則で、「すべての銀河は私たちから遠ざかるように運動している。遠ざかる速さは私たちとその銀河までの距離に比例している。」というものだ。

 

宇宙のはじまりといわれているビッグバン以来、宇宙は現在進行形で膨張しているということ。

宇宙はどんどん大きくなっているので、大きさといってもその時点での大きさということになる。

 

銀河が私たちから遠ざかる速さをV、私たちと銀河までの距離をDとすると

V=HD(Hは比例定数でハッブル定数という)

式で表すと、これがハッブルの法則。(詳しいことは成書で確認してください)

 

いろいろな銀河でVとDについて精度の高い観測ができると、より正確なハッブル定数が計算で求められる。

2000年代になって計算されたハッブル定数をみると、70km/s/Mpc前後の値が多い。

仮に70km/s/Mpcとすると、この意味は私たちから326万光年(Mpc、メガパーセルという)離れている銀河は秒速70kmの速さで私たちから遠ざかっているということだ。

さらに遠く離れている銀河は、もっと速い速さで私たちから遠ざかっている。

 

ハッブルの法則を表す式についてみると、速さ=H×距離

距離=速さ×時間だから上式の両辺を距離で割ると、1/時間=H

わかりやすく書き直すと、時間=1/H

したがって、ハッブル定数Hの逆数は宇宙が膨張し始めてから現在までのおよその時間(宇宙の年齢)を意味する。

 

ハッブル定数が70km/s/Mpcとすると、逆数は326万光年/70km/s

これを計算すると約140億歳になる。(1光年を9兆4600億kmとして計算)

 

最近の観測によると、宇宙の年齢は138億歳ということだ。

138億年以上前の星は、そもそも宇宙がなかったのだから存在しない。

 

138億年かけて膨張した宇宙の果ては、現在、私たちから約470億光年遠いところにあるらしい。

風船のように膨らんでいるというから、宇宙は半径が470億光年くらいの球形をしているんだろう。

これが現在の宇宙の大きさ。

 

その先がどうなっているのかは・・・わからない。

 

七夕と宇宙

7月といえば七夕。

竹の枝に願い事を書いた短冊をくくりつける習わしを子どものころに経験した。

習い事が上達するような願いを書くのが普通らしいが、私のことだから何か欲しいものを書いたかも。

 

一年に一回、7月7日の夜、天の川に隔てられた織姫(こと座の1等星ベガ)と彦星(わし座の1等星アルタイル)が天の川を渡ってつかの間の逢瀬を許されるという七夕伝説は有名だ。

 

伝説だからどんなストーリーでも目くじらを立てることはないが、織姫のベガと彦星のアルタイルが実際は約14光年離れている星らしい。

仮に光の速さで彦星が織姫を訪ねていくことができても、14年はかかるということ。

二つの星の中間で二人が合うにしても7年はかかる。

また7年かけて戻らないといけないし。

・・・・・。

駆け落ちした方が良い。

 

不謹慎なことをいってしまったが、とにかく宇宙は広い。

天の川は太陽系を含む星の集団で、いわゆる銀河系(天の川銀河)の星々だ。

銀河系は円盤状で直径は約10万光年(端から端まで光の速さでいっても10万年かかる)。

恒星(太陽のように位置がほとんど変わらないで光を放っている星)の数だけでも何千億個かあるというから、気の遠くなる話だ。

 

これくらいで気が遠くなるのは、まだ早い。

近年のNASAの観測によると、天の川銀河のような銀河が宇宙には約2兆個あるだろうという。

 

・・・・・。

気が遠くなる。