前回のブログで人口動態統計について触れたが、これに対応することばとして人口静態統計がある。
人口動態が人口の動きを見ているのに対して、人口静態は人口の動きの一断面(動きを一時的に止めた状態)を見ている。
つまり、人口はもともと時々刻々と変化しているので、ある時点での人口を調べたものを人口静態統計という。
人口動態を戸籍法による届け出から調べることは既に記したが、人口静態は誰もが調査された経験がある国勢調査で調べる。
当時は人口が国の勢いを示すという意識が高くてこのような名前になったのだろうが、人口調査といった方がわかりやすい。
日本では西暦の末尾が0か5の年に調査する。
調査年の10月1日の時点での人口、性・年齢別人口などがわかるよう、日本に住んでいるすべての人を対象に調べ上げている。
国や地域の人口を正確に把握しておくことは地理的な理解や施策のために極めて大事だ。
死亡率を計算するときも、分母に人口が必要になる。
死亡率=(死亡者数/人口)×100,000と計算する(10万人につき何人死んでいるか)。
仮に、日本人の人口が126,000,000人で新型コロナウイルス感染症によるこの1年間の死亡者数が5000人とすると死亡率は4.0ということになる。
10万人につき4人くらいしか死なないのかという感想もあろう。
しかし、現在までのところ全体の致死率は1.4%だが、70歳以上に限ると8.1%だ。
感染者100人中、8.1人が死んでいる。
シニアにとっては気になるところだ。
なお,致死率=(その病気による死亡者数/その病気の患者数)×100と計算する。
たまに,死亡率と混同している人がいる。