暑い季節にもかかわらず、何とか体を動かして加齢現象に抵抗している。
健康のために運動習慣を持つように行政も呼びかけている。
厚生労働省は運動習慣を「1回30分以上の運動を週2回以上実施し,1年以上継続している」状態と定義している。
成人で65歳未満と以上のグループで比較すると、65歳以上の高年者のグループの方が運動習慣を持っている人の割合が高い。
それでも高年者の5割にまでは達していなかったので、この十数年間、5割を超えることを目標に全国の市町村は努力してきた。
再来年くらいにその結果がわかるはずだ。
私の場合は週に2回、シニアの集まる卓球サークルに参加している。
まあ、何とか運動習慣を持っているといえるだろう。
シニアの卓球だから大したことはないが、卓球は相手に打球されたボールが瞬時にやってくる。
敏捷性(びんしょうせい)が特に要求されるスポーツだ。
卓球を通じて素早い動きが衰えないようにしたい。
スマッシュは秒速20mを少し超える程度だが、何しろボールを打ち合う者同士の距離が近い。
卓球台の縦の長さが2.74mなので、卓球台からお互いに0.5m離れているとすると、ボールを打ち合う者同士の距離は3.74mになる。
飛んでいるボールへの空気抵抗や卓球台へのバウンドなどで少しは減速されようが、単純計算すると、スマッシュしてから相手にボールが届くまでの時間はわずか0.19秒になる。(3.74m÷20m/秒=0.19秒)
私たちがモノを見て、意識して、行動に移すまでの反応時間は,0.2秒くらいだ。
シニアでは少し反応が遅くなって0.3秒くらいかかるから、スマッシュされたのを見てから反応しようとしたのでは、0.19秒でやって来るボールを打ち返せない。
そこで必要になるのが予測だ。
相手が打球する前の動作などからスマッシュされるのか、その方向はどちらかなどを予測して早目に対応しなければならない。
いずれにしても、素早い動きが要求される。
スマッシュではなく、ゲームでラリーを続けているときの平均球速はネットの真上付近で秒速8m弱くらいという。
このとき、相手が打球して3.74m離れた自分のところにボールがやってくるまでの時間は0.47秒。(3.74m÷8m/秒=0.47秒)
これくらいなら、何とか相手が打球してからでも反応できそうだが。
・・・。
体が思うように動かない。
というよりも,シニアにとっては無理に打球に反応しようとすると危険だ。
筋・骨格系を痛めては元も子もない。
素早い動きもほどほどにしておこう。