シニアがブログでモノローグ

このままでは年を取って死ぬだけ。ブログでもやってみよう。

秋の大運動会と徒競走

ここ数日で、ようやく秋らしい気候になった。

昭和の中ごろに子ども時代を過ごした身としては、秋の運動会は記憶に残るものの一つだ。

早生ミカンの香りをかぐと、秋の運動会を思い出す。

 

近ごろは春に運動会をやる学校の方が少し多いそうだが、秋の運動会も残っているようだ。

私が小さいころも春に運動会らしきものをやらされたが、それは規模の小さなもので、秋は大運動会と言っていた。

 

運動会のメインイベントには騎馬戦や綱引きをあげるかも知れないが、個人種目の徒競走が気になるメインイベントだったという人も多いだろう。

徒競走が嫌いな人も得意な人も一緒になって走らされ、家族や親しい人の声援を受けながら駆け抜ける。

運動会に徒競走はつきものだが、参加するかどうかを選択できれば、走るのが苦手な人も助かるのに。

 

私たちは走るのに慣れているように見えるが、ヒトになってすぐに走れたわけではない。

二足性の歩行では、足による支持面積が狭い。

走ったりすると頭も揺れるので、視線の乱れを補正したり身体のバランスをとったりする平衡感覚が必要になる。

この平衡感覚のために重要な役割を果たしているのが三半規管だ。

走る動作は三半規管からの信号が統合されて可能になる。

猿人であるアウストラロピテクスの三半規管の形状は現生人類とは異なり、走るのは苦手であったと推測されている。


ただし、アウストラロピテクスの足には類人猿とは異なるかかとの骨(踵骨しょうこつ)が備わり、そこへふくらはぎにある下腿三頭筋の末端(筋尾)から連なるアキレス腱がついた。

アキレス腱は踵骨を介してさらに足底部を足底腱膜となって足指につながる。

足底部は足底弓と呼ばれるアーチ構造をしているが、足底腱膜により維持されている。

アーチ構造はスプリングの役目をし、着地するときの衝撃を吸収するとともに二足歩行の機械的効率を高めるものとなった。


現生人類はうまく走れるようになったのでアフリカのサバンナでは草食動物を長時間にわたって追跡した。

獲物が疲れ切ってしまったところを仕留めるような狩猟をしたようだ。

 

一方、ネアンデルタール長距離走が得意ではなかったという説がある。

足関節の位置が現生人類よりも前寄りにあるので着地してつま先で体重を支えたときにアキレス腱が蓄える張力エネルギーが少なく、次に蹴り出して前進するためのエネルギーを得にくい。

そのため、ネアンデルタールは森林地帯で隠れて待ち伏せして獲物を捕まえた。

しかし、地球が寒冷化したときに狩猟の場であった森林地帯を失い、ネアンデルタールは絶滅したという。

 

私は現生人類の一員だが、シニアとなった今はうまく走れない。