シニアがブログでモノローグ

このままでは年を取って死ぬだけ。ブログでもやってみよう。

ホメオスタシス

前回のブログ記事で、生理学的にみると健康は生体の諸機能がある範囲で変化しながらも平衡状態になって安定している状態(ホメオスタシス)だと記した。

このことを説明するために、体温がよく取り上げられる。

 

私たちの体温は腋(わき)の下で測ると36.5℃前後になるように熱産生と熱放散が自動的にコントロールされる。

その結果、体温は多少の高低を繰り返しながらホメオスタシスを維持している。

平常の体温(平熱)が維持できなくなって低体温や高体温が続いたときに様々な障害が生じ、健康ではなくなる。

 

高体温による障害は,まとめて熱中症という。

障害は熱痙攣,熱疲憊,熱射病(日射病)に分類される。

 

筋の不随意収縮が起きるのが熱痙攣だ。

循環障害が起きて血圧低下,めまい,脱力感や頭痛により虚脱状態となり,意識を失うこともあるのが熱疲憊。

熱射病の段階になると発汗の停止,高体温,中枢神経系の障害(全身痙攣,虚脱,昏睡)が起きる。

熱中症で最も危険な状態だ。

 

一方,低体温による障害には全身的なものとして低体温症 がある。

体温が35℃未満になるときを低体温という。

体温が低下するにつれて体内の化学反応速度は遅くなり,そのために産熱は減少するという悪循環におちいる。

特に高齢者は代謝による熱産生が少なく温度感覚も衰えるので低体温症になりやすい。

体温が低下し続けると機能障害を経て虚脱状態となり,危険な状態になる。 

 

ホメオスタシスは私たちが様々な環境で生存できるようにするからだの仕組み。

その仕組みが障害されても,からだには自律神経系や内分泌系の助けを借りて体制を立て直そうとする働きがある。

自然治癒力や適応能力ということばが当てはまりそうだ。