北京で冬季オリンピックが開催されている。
中国によるウイグル人への人権侵害などで一部の西側諸国はオリンピックを外交的にボイコットしているが競技そのものは、やはり面白い。
競技だけでなく入試などもそうだが、お互いに競い合うときは一部の人たちが得をしたり損をしたりしないよう公平性を担保することが重要だ。
しかし,北京オリンピックでは公平性に欠けると思わせるような出来事がいくつか生じている。
主催国である中国というよりも各競技団体で取り決めたルールや運営のまずさによるものだろう。
数日前に話題になったのは、団体競技の男女混合ジャンプだ。
日本のレベルは高いが、女子の高梨沙羅さん(さらちゃん)が長距離を飛んだのに失格になってしまった。
だぶついているスーツを着ていたからだという。
だぶついている部分がムササビのように広がって飛距離を延ばすらしい。
しかし、問題だったのはスーツがだぶついているかどうかのチェックが競技の最中で、一部の選手だけへの抜き打ち検査だったこと。
入試に例えるなら、受験中に一部の受験生だけに抜き打ちで尋問するようなものだ。
こんな不公平なことをやったら受験生やメディアに騒ぎ立てられるに違いない。
昔、入試監督をさせられていたが、全受験生に対して解答時間を等しく確保したり同じ文言で指示したりすることを厳しく要求された。
繰り返すが、競技や入試では公平性を担保することが大変重要だ。
もう一つ、今回のジャンプ競技の抜き打ち検査で気になるのは、スーツのだぶつき具合をどのように検査したかだ。
人体の寸法を計測してスーツのサイズとの差を調べている。
どんな計測器具を使ったのか?
どんな姿勢をとらせて計測したのか?
検査者が何人かいたのか?
計測に熟達した検査者か?
複数回の計測結果をどのように処理したのか?
人体計測では生身が柔らかくて形状にも個人差があり、誤差が出やすい。
計測に慣れていても、計測者の癖により計測値に偏りが出ることもある。
何を測ってもそうだが、計測値は真の値の近似値に過ぎない。
真の値はわからない。
したがって、計測値(近似値)=真の値+誤差
誤差をどの程度まで小さくできるかが計測値の信頼性の鍵になる。
(誤差/真の値)×100を相対誤差(%)という。
真の値はわからないので、便宜的に(誤差/計測値)×100を計算する。
誤差は計測値から真の値を引いたものになるが、真の値はわからないので何度も計測した計測値の平均値(最確値)をあてる。
すなわち、誤差=計測値ー平均値
人体計測での相対誤差はどうだったのか。
いろいろ、知りたいことがある。