シニアがブログでモノローグ

このままでは年を取って死ぬだけ。ブログでもやってみよう。

暴力と武力

先月末にロサンゼルスでアカデミー賞の授賞式が催された。

そのときの出来事として,俳優ウィル・スミスが司会者の頬を平手打ちする事件があった。

ウィル・スミスの妻を揶揄した司会者のトークに腹を立てたらしい。

ほんの小さな暴力事件だが大きな話題となり,ウィル・スミスはアカデミー会員を辞退するはめとなる。

 

他方,近ごろ毎日報道されているのがロシアのウクライナ侵攻だ。

ロシアが一方的に武力を使ってウクライナに攻撃を仕掛けた。

武力行使は暴力の最たるものだろう。

 

どんな理由があろうと暴力や武力行使は許されない。

ところが,困ったことに個人的な暴力は取り締まりやすいが,国家から国家への武力行使(戦争)は取り締まりにくいようだ。

20世紀の初めのころまで戦争は国家の権利として認められていたというからびっくりする。

戦争禁止は当たり前と思うのだが。

戦争については国際社会が結構ゆるい意識を持っていたように感じる。

 

二度の世界大戦を終えて,国際連合の憲章(基本的な考え方)の中に以下のような原則が記された。(2条4項)

「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇または武力の行使を、いかなる国の領土保全または政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」

 

誰が和訳したのか知らないが,わかりにくい文章だ。

国連憲章の原文を見ると以下のようになっている。

All Members shall refrain in their international relations from the threat or use of force against the territorial integrity or political independence of any state, or in any other manner inconsistent with the Purposes of the United Nations.

「すべての加盟国は、国際関係において、領土保全または国家の政治的独立に対する脅迫または武力の行使、あるいは国連の目的と矛盾するその他の方法を控えるものとします。」(グーグル翻訳)

 

この国連憲章は条約に近い重みがあり,戦争を違法とする国際法の拠り所となっているようだが,何となく心もとない。

しかも,国際法に従わなかったとしても強制的に取り締まる手段を持ち合わせていない。