8月になる。
1日の今日は水の日、今朝の新聞で知った。
1977年に制定されている。
8月は一番水を使う量が多い月で、8月の最初の日に節水を呼びかけようと1日を記念日にした。
きれいな水は入浴,洗濯,調理,手洗いなど日常生活になくてはならないものだ(家庭用水)。
利用する水の多くは水道水。
一人一日平均の家庭用水量は200リットル前後になる。
2リットルのペットボトルだと、100本分(昔風にいえば、一升ビン111本分)を一人が一日に使っている。
無駄はないか?
水道水は河川,湖沼,地下水などが水源。
水源が枯れたりすると水の有難さを思い知らされることになる。
水源の水は浄水場へと送られる。
浄水場では,沈澱池で浮遊物や泥を沈澱させる。
次に,濾過池で砕石,砂利,砂の順に重ねた層を通して水を濾過する。
最後に塩素を水に溶解させ,残っている細菌を消毒する。
こうしてきれいになった水が各家庭に配水されている。
水道水は健康を害しないよう水道法で水質基準が定められている。
主な基準は以下の通り。
(1)病原生物に汚染され,または汚染されたことを疑わせるような生物,もしくは物質を含むものでないこと
(2)シアン,水銀その他の有害物質を含まないこと
(3)銅,鉄,フッ素,フェノール類その他の物質をその許容量を越えて含まないこと
(4)異常な酸性またはアルカリ性をしめさないこと
(5)異常な臭気,味をしめさないこと,ただし,消毒による臭気,味を除く
(6)外観はほとんど無色透明であること
水が汚染されていると腸チフスや赤痢など水系伝染病の発生する恐れがある。
教科書的には,ブロード・ストリート事件が有名だ。
1854年の夏,ロンドンのブロード・ストリートでコレラによる死亡者が異常発生。
死者は700人以上を数えた。
この事件は伝染病が発生したということだけでなく,その発生源をつきとめて対策を施し、流行を鎮めたことで知られている。
英国人の医師ジョン・スノーがコレラによる死者が発生している場所をプロットしてみたところ、ブロード・ストリートにある共同井戸の周辺に多数の死者が発生していることを見出した。
患者たちの多くはその井戸水を飲料水として利用していたので,何か関係があるのではないかと疑って井戸を使えないようにしたところ,コレラの発生が劇的に少なくなったのだ。
(後になって、汚水が井戸に流れ込んでいることが確認された。)
コッホがコレラ菌を発見する30年前の出来事であったにもかかわらず,患者の分布を示した疾病地図をもとに病気の原因を検討し,推測される原因を除去して伝染病の流行を食い止めたことは疫学上の大きな功績として語り継がれている。
水が嫌いという人はいないだろう。
水は私たちの身体にとっても、欠かすことができない。
1日に2.5リットルくらいの水分を身体が出し入れしていることは2020年6月4日付のブログ(「水をください」)にも記している。