今日は防災の日。
1923年9月1日に発生した関東大震災を忘れないようにするため、全国各地で防災訓練が行われている。
関東大震災による犠牲者の9割近くは発生した火事で亡くなった。
火の気のある家屋が倒壊して焚き火の状態になったのか。
周囲に燃え移って火事は広がり、上昇気流に乗った火炎が竜巻状態になって人々を襲ったという。
私自身がこれまでに経験した強い地震は震度が4か5程度のものだが、子どもの頃に経験したもので記憶に残るものがある。
昼間に居間で寛いでいるときに発生したもので、その揺れの強さに私は驚いて素足のまま裏庭に飛び出した。
飛び出すと、隣家では家の柱が上下に揺れて上部にすき間が見え隠れしていた。
すぐに地震はおさまったが、居間にいたはずの父親は外になかなか出てこなかった。
しかし、まもなく父親は居間に置いてあった重い火鉢をゆっくりと裏庭に持ち出してきたのだ。
その様子を見ながら、子どもごころに「遅いよ」と思ったが、後になって別のことも思った。
ゆっくりと火鉢を外に持ち出した父親は、自分の行動でわが子に地震のときの心構えを示したかったのではないかと。
つまり、地震のときはあわてずに火の気は無くして避難しなさいと言いたかったのではないか。
今となっては知る由もないが、確かに地震で避難するときのきわめて大切な心得だろうと思う。