シニアがブログでモノローグ

このままでは年を取って死ぬだけ。ブログでもやってみよう。

2020-01-01から1年間の記事一覧

脱共役たんぱく質?知らなかった

前回のブログで酸化的リン酸化について記した。 ミトコンドリア内で水素原子が電子を放出する酸化反応とともにATPの合成反応が生じるというように,複数の反応が組み合わさって生じることを共役反応という。 酸化的リン酸化は代表的な共役反応だ。 このよう…

酸素の使われ方

コロナの騒動はいまだ終息の気配をみせない。 治療法が確立しておらず肺炎を起こして死ぬかもしれないというのが、最大の脅威だ。 酸素の取り込み口である肺が炎症を起こして機能しなくなることは死を意味する。 私たちは酸素を体内に取り込んで生命を維持す…

法人化されて変わった大学

前回のブログでオーサーシップについて記したが、論文の共著者になるということは自分の研究業績として扱えるということだ。 論文は研究活動について自己評価するときの根拠になる。 国立大学は2004年に法人化されてからというもの、個人や大学全体が頻繁に…

オーサーシップ

私たちは社会で仕事をしていると,どれくらいのことをやり遂げているかを評価される。 大学で仕事をしている場合は,自己評価をはじめとして研究業績を示さないといけないことがしばしばある。 研究成果は論文にするので,その著者になっていれば根拠ある研…

神経神話

前回のブログでファクトチェックについて記したが、脳科学の分野では昔から根拠のない俗説、いわゆる神経神話というものがある。 名前からもわかるように神経機能について確かな根拠もなく広く信じられている情報だ。 ファクトチェックにひっかかるであろう…

ファクトチェック

学術的な論文は投稿原稿が専門家により審査されるので、掲載された論文の事実関係に間違いのあることは少ない。 しかし,インターネットによる発信者からの情報は普通そのまま掲載されるので注意が必要だ。 人の言っていることを疑うことはあまりよくないの…

ヘルシンキ宣言

前回のブログで論文の投稿者と査読者がそれぞれ利益相反の有無について申告していることを記した。 利益相反のほかにも今世紀になって研究で重視されるようになったことに、倫理的側面への配慮がある。 ヒトを対象とした研究(特に生物学的・医学的研究)の…

利益相反?

学術雑誌に掲載される論文は、その原稿が著者から雑誌の編集者へ投稿されたときに吟味(査読)される。 論文として掲載に値するか、修正すべきところはないかなど、同じ分野の専門家が審査している。 ときどき査読の依頼を受けてきたが、投稿原稿の採否や修…

英語論文の書き方(メモ)

しばらくブログを書いていなかったので、何かネタはないかと昔の文書ファイルを開けてみた。 会議に出席して熱心にメモをとるタイプの人間ではなかったのに、いつになく詳しくメモをとっていたものが見つかったので記しておこう。 今回のブログのタイトルに…

ラクダのこぶ

前回、前々回と寒さへの形態的適応について記したが、もちろん暑さへの形態的適応もある。 そのひとつが、ラクダのこぶだ。 らくだは炎天下の砂漠を何日間も旅する。 エネルギー源として体脂肪を利用するが、脂肪が全身に沈着していては具合が悪い。 脂肪は…

寒さへの適応戦略(つづき)

前回のブログのつづきになるが,寒さへの形態的適応については体の大きさ以外の容姿にも現れる。 ジェームズ・ディーンの映画を見た後,余韻にひたりながらあの憂いに満ちた表情を鏡の中でまねる。 ・・・。 どこか違う! 私の場合,顔のパーツは同じように…

寒さへの適応戦略

彼岸も過ぎて涼しくなったと思いきや,朝晩は肌寒くさえ感じるようになった。 寒くなると自然に体が縮こまってくるが,体温が奪われないように体表面積を小さくしようとする行為だ。 寒さに対して体表面積を小さくしようとする現象は生態学的な法則にもなっ…

千の風

前回のブログで,故郷で千の風のように風に吹かれてみたいと記した。 以下は歌「千の風」の歌詞の一部だ。 私のお墓の前で泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません (中略) 千の風になってあの大きな空を吹きわたっています 亡くなった…

故郷

秋の夜長に物思いにふけっているときなど、なぜか故郷が懐かしくなる。 帰巣本能とでもいうべきものか。 私にとっての懐かしい故郷の風景は城下町の丘の上から見える海と小島だ。 幼い頃、丘へ続く坂道を母に連れられて昇り降りするときに、母が「みかんの花…

スポーツの秋

秋にスポーツというのはうなずける。 1964年の秋に開催された一回目の東京オリンピックの遺産だとする見方もあるが、その前から秋の風物詩として運動会を行っていたりしたので,東京オリンピックが「スポーツの秋」の由来というのは少し弱くないか。 しかし…

芸術の秋

なんで芸術が秋なのか。 そもそも芸術とは何か。 手元の辞書を引くと「人間が心に感じたことや思想などをさまざまな方法・様式によって鑑賞の対象となる美的な作品として創り出すこと。また、その作品。絵画・彫刻・音楽・演劇・舞踊・文学・建築など。」と…

食欲の秋

「暑さ寒さも彼岸までとはよくいったもので」は常套句になっているが、その通り秋分の日を過ぎるとめっきり秋らしくなった。 さまざまな秋があるが、まずは食欲の秋だ。 暑さから解放されて食欲が出てくるし、収穫の秋として多くの農水産物が出回ってくる季…

ピアソンの相関係数

前回のブログで「平均への回帰」という統計用語にふれた。 親の身長とその子が成長したときの身長の関係から、子の身長に「平均への回帰」現象がみられることを発見したゴルトンは親子の身長のような2つの変数間の関連性に思いを巡らせた。 彼はその関連性…

将棋の藤井さんは「平均への回帰」ということばを使った

将棋界は藤井さん人気で盛り上がっている。 若くしてプロになり、何連勝もしたり強豪の棋士を負かしたり、さぞかし強いのだろう。 最近は将棋界のタイトルを立て続けに2つ獲得している。 人工知能を駆使しながら将棋を研究しているので今度はどんな新手を指…

私たちの生理学的寿命

数日前は敬老の日だったが,カレンダーを見て休日を確認するくらいで影が薄いように思えた。 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し,長寿を祝うことを趣旨として法律に定められた国民の祝日であったのに。 老人福祉法では老人を65歳以上と規定してい…

ボツになった作品

リタイアして2~3か月した頃,ひまに任せて幾つかの懸賞に応募してみた。 そのときのボツになった作品を恥を忍んで紹介する。 創作漢字の募集というのがあったので応募したときの作品だ。 創作漢字(抜歯) 自己評価:ほとんど創作することなく,実際の漢…

治験

コロナ禍の終息に向けて特効薬やワクチンの開発が待ち望まれているが、私たちのからだに大きく作用するだけに慎重さも求められる。 一般的に医薬品の開発には何年もの年月を要する。 薬効成分を発見したり合成したりする基礎研究からはじまり、動物実験など…

エレベーターの開閉ボタン

リタイアしてマンション(集合住宅)住まいを始めてからはエレベーターに乗る機会が多い。 同じマンションの住人と乗り合わせることがあるが、荷物を持っているような人には、当然、先に降りてもらうようにする。 そのときにエレベーターの扉の「ひらくボタ…

子どもの体温

コロナの感染防止対策で体温を測られることが多いが、バイタルサインとして重要な指標だ。 バイタルサインとは私たちの生命維持にかかわって欠かすことのできない基本情報のことで体温のほかに心拍数、血圧、呼吸数がある。 これらの数値が健康なときよりも…

加齢現象

高齢社会になったが、高齢者の生物学的な様相についてはまだ明らかになっていないことも多い。 簡単なように見えるが、身長一つをとってみても身長の退縮がいつ頃から始まり、一年間にどれくらいの速さで進むのかなど、はっきりしていない。 身長の退縮に影…

汗をかく話

相変わらず暑い日が続いている。 炎天下に外出すると、たちどころに汗が出てくる。 いやがられることの多い汗だが、からだが高体温にならないようにするためには欠せない。 体温調節は熱産生と熱放散のバランスの上に成り立っている。 熱産生は体内での化学…

暑い思い出

連日、40℃を超える気温のところがあったりして「残暑もいい加減にしてくれ!」と叫びたい気持ちになる。 日本の夏は湿度が高くて、からだにまとわりつくような湿気がひときわダメージを与える。 ふと、学生時代に行った実験を思い出す。 室温を50℃にしておい…

世間のすき間

コロナの騒動で外出を自粛したり帰省を見送るよう国や自治体から要請がある。 この要請を守らない人を非難する方々がいるようだ。 マスコミでは非難する方々のことを自粛警察だとか帰省警察と呼んでいる。 これも同調圧力といわれるものの一つだろうが、世知…

誠実さと熱意

若い頃、酒を飲んでいるときに恩師から「誠実さと熱意は人を動かす」という主旨の話を聞いたことがある。 まあそうだろうくらいに思っていたが、人生訓や処世訓の一つになるのではないかと、その後に思うようになった。 そう思わせる出来事が記憶にあるので…

精神的に豊かな社会

前回のブログで精神的に豊かな社会になるようにと願った。 精神作用をもたらすのは脳だ。 私たちは脳で感じて,考えて,そして行動する。 精神作用をもたらすのは考える部分の脳だ。 進化のレベルでみると,本能や情動といった感じる部分の脳は何億年もの時…