3月もなかば。
日差しも少しづつ強くなり春めいてきた。
陽気に誘われてか、外出する人が増えているように感じる。
多くの学校や会社は3月末で環境をリセットする。
この時期は学校で卒業式をすませた子どもや、春休みの大学生とおぼしき人たちが平日の昼間からうろうろしている。
進学や就職の準備をしているのかも知れない。
大人たちも3月は職場が年度末ということで仕事に区切りをつけなければならない人が多かろう。
移動の時期でもあり、引っ越さないといけない人は転居先を決めたり荷物を運んだりして大変だ。
子どもも大人も何となく街を行きかう人たちが落ち着かなくてソワソワしているようにみえる。
そうこうしているうちに、桜が咲き始める。
「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」
桜をめずる人たちも開花期間の短さに、いつ散ってしまうかと気持ちがソワソワし始める。
ソワソワすると書いたが、気持ちや態度が落ち着かない様子を示すことば。
しかし、その語源は古語からという人もいるが、よくわからないようだ。
いわゆるオノマトペの類なのだろうが、それが擬態語(気持ちがワクワク、肌がスベスベなど)なのか、擬音語(犬がワンワン、雨がザーザーなど)なのかわからない。
となれば、想像するしかないが、擬音語かも知れない。
私たちは落ち着きがないとき、自然と体が動いてしまう。
そのときの衣擦れの音をソワソワと擬音化した言葉というのはどうだろう。
いずれにしても、3月はソワソワする月。