前回のブログで私がルッキストになっているのかも知れないと記したが,まわりの者からもときどき指摘される。
テレビに映る女性の政治家などを見ていて,私の評価がその人のルックスで変わるというのだ。
私は何も意識していないつもりだが,ルックスも含めて政治家としての好き嫌いの評価を下しているように見えるらしい。
私に限らず,いつの間にか人物を外見で評価してしまうことはあると思う。
外見至上主義(ルッキズム)というほど大げさなものではないが,私たちみんなにあると思う。
こういう人間の心理について理解するときに利用しやすいのは、進化心理学的な考え方だろう。
文字通り、生物としての進化の観点から心理状態を理解しようとするのが進化心理学。
幾つかの私たちに生じる心理状態は進化にともなう生物学的適応の過程で形成されたものという。
特に私たちの生存と生殖について生物として適応することは重要であり、その際に生じる心理状態は時代を超えて引き継がれてきた。
例えば、外見から人を判断しようとする心理は原始の時代から生存するためには必要であった。
仲間であるかどうかを、まず、外見で判断しないと生存が脅かされかねなかった。
生殖についてみると、自らの遺伝子を後世に残すには、生殖による出産や育児にふさわしそうな女性の体型が好まれ、狩猟して食料を提供してくれそうな体格のいい男性が好まれたろう。
外見を無視できない気持ちは、今も私たちの心の中に巣くっているはず。
外見から人の内面を判断するのは良くないことは重々承知しているつもりだ。
ルッキズムが人種差別や性差別につながりやすいこともわかる。
しかし、いつの間にか見た目でその人がおよそどういう人か判断してしまいがちになる。
ルッキズムの心理が頭をもたげても、理性で抑え込まねばなるまい。