前回のブログにも記したが、私たちは生物としてヒト科に位置づけられるホモ属サピエンス種。
ヒト科の生物を人類というが、現生人類はホモ・サピエンスだけ。
他の人類は絶滅してしまったが、それらを化石人類という。
私たちの祖先は他の類人猿(類人類)と分かれてヒト科に進化した。
いつ頃分かれたかについては、最古の人類化石を見つけ出して年代を推測する。
人類の大きな特徴である直立を示す証拠が化石にあればよい。
証拠としてよく調べられるのは頭蓋骨の大後頭孔(だいこうとうこう)の位置。
脊柱と接続する頭蓋骨の開口部のことで、四足動物の場合は後頭部にあるが、二足歩行して直立する人類では頭蓋骨を脊柱で支えるために底部にある。
このような証拠をもとに今までに発見されている最古の人類化石は、約700万年前のもの。
アフリカのチャドにあるサハラ砂漠南部で発見されたので、サヘラントロプス・チャデンシスと名づけられた。
したがって、今のところ約700万年前までには類人猿と分かれて人類が誕生したと考えられている。
サヘラントロプス・チャデンシスはいわゆる猿人だが、猿人が原人、旧人、新人へと進化したわけではない(昔、学校ではこの順番に進化していったと習ったが)。
猿人、原人、旧人、新人と呼ばれる人類はそれぞれの時代でのヒト科に含まれる異なった属や種であり、つながっているわけではない。
新人である私たちホモ・サピエンスは約20万年前にアフリカで誕生したと考えられている。
現在、人類で生き残っているのは私たちだけだが、化石人類になりませぬよう。