今日はお風呂の日。
2月6日の語呂合わせなのは容易にわかるが,日本記念日協会が認定している。
お風呂は今でこそ毎日はいる人が多いだろうが,昔はそうでなかったように思う。
今のようにガス湯沸かし器のリモートスウィッチを押すだけというほど簡単にはお風呂に入れなかった。
私が小さい頃,我が家のお風呂は別棟になっていた。
別棟というより小屋といった方が適当か。
小屋の中に脱衣場,洗い場と四角い浴槽があり,小屋の外から五右衛門風呂のように焚き木やごみを燃やして湯を沸かしていた。
湯に入れるまで小一時間は浴槽の窯を焚いていたように記憶している。
小屋の窓を開ければお風呂場の湿気が外に出て行って夏などは快適だったが,逆に冬は窓を閉めても洗い場が寒かった。
しっかりと浴槽で温まらなければ,お風呂に入ったのに出たときは体が冷えているという結果になった。
今でも日本の家屋では冬場の浴室が冷え切っていることが多い。
脱衣場が寒くて,お風呂に入ると暑くて,洗い場に出ると寒いというジェットコースターのような寒暖差が「ヒートショック」という言葉を使って問題視されている。
私たちの体にストレスとなり,入浴死亡事故の主な原因と考えられているからだ。
下の図は,その昔,入浴死亡事故の疫学要因を調査していた頃の資料から引用した。
冬季の全国調査によって得られた居間と浴室の気温差と入浴事故死亡率(各調査地域がある都道府県の人口動態統計)の関係をみたものである。
気温差が大きい地域では入浴事故死亡率が高い傾向にある。
特に死亡率の高い秋田や富山では,調査した住宅の居間と浴室の気温差も大きい。
ついでに言うと,札幌は寒冷地なのに気温差が小さいのは,寒過ぎて家全体の暖房設備が普及しているから。
福岡が相関図をかく乱しているのは,入浴事故死亡率の統計の取り方に問題があるような気がしている。
毎年,入浴事故による死亡者数は交通事故による死亡者数よりもはるかに多く,注意しなければならない。
入浴死亡事故を起こさないためには,よくいわれているように「ヒートショック」を受けないようにすることが大切。
いろいろな手段で,浴室が寒くならないように心がけたい。