前回,前々回のブログで放射線について記したが,私たちはどれくらいまで放射線を浴びることが許されるのかは気になるところだ。
人体が放射線を浴びても障害を起こさないと思われる放射線量を線量限度という。
自然界や医療で放射線を浴びる分は線量限度の数値に含まれていない。
国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection,ICRP)が数年ごとに公表している勧告値を基準にしている。
線量限度に用いる単位は実効線量(Sv=シーベルト)だ。
放射線の人体への影響は放射線をどの部位に受けたかによっても異なる。
人体を幾つかの部位に分け,それぞれの部位で受けた放射線の量(線量当量)に特定の係数(組織荷重係数)をかけて合計したものを実効線量(実効線量当量)effective dose equivalentという。
実効線量は放射線の人体への影響を総合した数値だ。
その値は、一般人については年間1mSv、放射線作業従事者については任意の5年間の年平均で20mSv、いかなる年も50mSvを超えるべきではないとされている。
放射線防護の基準は、実際の被ばくが基準を多少超えても健康に影響を与えないレベルで決められている。