5月の薫風に誘われて外出する。
保育園児らのお散歩らしき行列をみかける。
歩いている子らはお互いに手をつないでゆっくりと歩き,ついていけそうにない小さい子らは大きな乳母車に乗せられている。
眠っている子もいる。
全員が運動会でみるような色付きの帽子をかぶせられ,あたりを見回しながら,ときどき付き添いの保育士らに声を掛けられながら,のんびりと進む。
何とも微笑ましい光景だ。
これから先,いろいろな知恵がついていかない方がいいのに。
いずれはこの子たちも根回ししたり,空気を読んだりしていくのだろう。
5月5日の子どもの日もとっくに過ぎたが,子どもたちがみんな健やかに育ってほしいと思う。
昔,今の天皇が皇太子だった頃,記者会見で娘の愛子様の養育方針を聞かれた。
ご存知の方もいようが,そのときの皇太子はドロシー・ロー・ノルトというアメリカの家庭教育学者の詩(子ども)を引用した。
この詩に感銘を受け,詩に書かれているようなことが自然に学べるようにしたいと述べている。
私も自分の子どもを育てたが,この詩を読むと反省すべきところがある。
備忘録としてその詩を以下に記しておこう。
子ども(川上邦夫訳)
批判ばかりされた子どもは、非難することをおぼえる
殴られて大きくなった子どもは、力にたよることをおぼえる
笑いものにされた子どもは、ものを言わずにいることをおぼえる
皮肉にさらされた子どもは、鈍い良心のもちぬしとなる
しかし、激励をうけた子どもは、自信をおぼえる
寛容にであった子どもは、忍耐をおぼえる
賞賛をうけた子どもは、評価することをおぼえる
フェアプレーを経験した子どもは、公正をおぼえる
友情を知る子どもは、親切をおぼえる
安心を経験した子どもは、信頼をおぼえる
可愛がられ抱きしめられた子どもは、世界中の愛情を感じとることをおぼえる