フランスでラグビーワールドカップが開催されている。
4年前の前回、開催国の日本が強豪国に勝って決勝トーナメントに進出し日本中が沸きあがったのは記憶に新しい。
今回の日本チームは事前の数回のテストマッチで負けることが多く、前評判はあまり高くなかったように思う。
その日本が予選リーグでイングランドと戦わねばならなくなった。
伝統があり優勝経験もある強豪国だ。
試合前の日本では、テレビのワイドショーや素人ファンたちが日本の勝利を大いに期待した。
しかし、ラグビーをよく知る人たちの予想は少し違った。
ある新聞のスポーツ記者は見出しに「日本、規律の乱れ突けば勝機」と書いていた。
何とも心細い表現。
「相手のミスをつけば、ひょっとして勝つことがあるかも」と読める。
ラグビー大国のイングランドに、歴史が浅く勝ったことのない日本が挑むことを知っているからだ。
実際,試合を終えてみると日本はノートライで敗北。
イングランドは4トライしてボーナス点も獲得した。
日本は前半こそ互角に戦ったが、後半になって地力の差が出た。
日本対イングランドの試合から、まったく関係のないことが私の頭に浮かんだ
それは、その昔、日本がアメリカを相手にして太平洋戦争に突き進んだときだ。
石油の輸入を止められた日本の国民やマスメディアの多くはアメリカとの戦争に勝利を期待した。
しかし、それまでの軍縮会議などに奔走していた海軍の山本五十六は戦争に反対していた。
アメリカにも留学経験のある彼は、アメリカが軍事大国であることをよく理解していたからだろう。
内閣からの戦争の要請に対して、短期決戦なら勝機があるかも知れないと答えたらしい。
事実、アメリカのスキをついてハワイへの奇襲攻撃を行った。
しかし、戦争は長期化し,軍事力に勝るアメリカに日本は敗北した。