シニアがブログでモノローグ

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悪魔は細部に宿る

ゴールデンウィークも終った。

幾つかの祝日が寄り集まる連休だが,すぐに頭に浮かぶのは憲法記念日と子どもの日くらいか。

調べてみれば昭和の日やみどりの日といった祝日もあるが,連休を長くするためにこしらえたような祝日であることは否めない。

子どもの日は昔からあってなじみがあるが,これも一年のどこにもってきてもよさそうな祝日。

 

一番,腰を据えて祝日らしいのは憲法記念日か。

日本国憲法が施行された1947年の5月3日を記念しているが,日本の社会が大きく転換した象徴でもあり,祝日としてふさわしいと思う。

 

その日本国憲法も,改憲すべきかどうかの岐路にある。

改憲派護憲派の主張が憲法記念日の前後に少し増幅されて聞こえてくるものの,まだ大音量にはなっていない。

 

今は,自民党の裏金問題に端を発する政治資金規正法の改正に気をとられているようだ。

裏金問題については事務方だけでなく政治家も同等の責任を取るようにすればいいのに,すっきりしない改正案でお茶を濁そうとしている。

 

テレビニュースを見ていたら,ある高名な老政治学者がインタビューに答えていた。

政治改革に携わっていた経験から,法律の改正案には細かなところで抜け道を作るような文言があるという。

そのことを「悪魔は細部に宿る」ということわざで表現していた。

想像するに,法案の枝葉末節な部分で「原則として」,「その程度により」,「事案ごとに」など曖昧なことばを入れるなどして法律をうやむやにしているのではないか。

 

そういう意識で自民党憲法改正案をみると、新しく追加しようとしている緊急事態の条項にも気になる箇所がある。

第99条3項に、緊急事態の宣言下でも基本的人権は最大限に尊重されなければならないという趣旨のことが記されている。

「最大限に尊重」とは、基本的人権は保障されないという意味でもある。

憲法改正案はすみずみまで注意して読まないと、悪魔が宿っていそうではある。