組織の不祥事などで責任問題に発展することがよくある。
先日も,「余人をもって代えがたい。」と言って重用しようとした人物が外出自粛中の違法マージャンで辞職した件で,大臣が任命責任を追及されている。
しかし,世間一般に組織のリーダーは部下や自らがよほどの不祥事を起こさない限り,責任を追及されても辞任するようなことはしない。
よく聞かされるのは,「私にも責任があり,批判を真摯に受け止めてお詫びしたい。よりいっそう緊張感をもって、私に与えられた任務が成し遂げられるよう誠心誠意,努力していきたい。」といった類の文言だ。
責任をとっていないではないか。
責任について謝罪のことばを口にし,任務をまっとうしたいと述べているに過ぎない。
辞書を引くと,責任の意味は2つある。
一つ目はまかされて,しなければならない任務,二つ目は結果として負わなくてはならない償いや制裁だ。
責任問題というのは二つ目の意味で追求しているのに,一つ目の意味で任務を果たしたいと強調するだけだ。
二つ目の意味には触れようとしない。