コロナ禍で騒いでいるうちに,いつの間にか夏を迎えた。
気象庁の定義では6,7,8月が夏だが,温暖化の影響で9月も夏に加えておかしくない。
昔に比べて,日本の夏はいっそう暑くなったように感じる。
からだが熱くなり過ぎると,けいれん,ひどい疲れ,失神などいろいろな熱中症の症状が現れるから気を付けないといけない。
汗をかいて水分と塩分が失われたときに水分のみを補給すると,体内の塩分濃度が低下して神経が不規則に筋肉を収縮させるようになって痙攣(けいれん)が生じる。
また,汗をかいて脱水すると血液の水分も少なくなるので血液が粘り気を増したり,熱をからだから逃がそうと皮膚の近くを流れる血液が増えるために心臓に戻る血液が減ったりして血液が流れにくくなる。
そのため,血圧の低下,めまい,脱力感,頭痛などでひどく疲れ,意識を失うこともある。
熱中症の症状のうちで,最も危険な状態は熱射病と呼ばれる。
汗が止まったりして体温の調節ができなくなり,体温が異常に高くなる。
非常に危険な状態なので,あらゆる手段を使ってからだを冷やす必要がある。
熱中症にならないためには,からだに熱が貯まらないようにしないといけない。
からだから熱を逃がしてやる方法は4つの物理現象を利用するしかない。
一つ目は汗をかいたりして皮膚の表面で水分を蒸発させ,からだを冷やす方法だ(蒸発)。
たくさん汗をかいているときは,失った水分と塩分を補給しなければならない。
二つ目は氷や水など冷たいものに触れてからだを冷やす方法(伝導)。
三つ目は扇風機などの風にあたる方法(対流)。
そして,四つ目は壁がよく冷えた部屋に入るなどして,からだから周囲の冷たい物体へ向かって熱を逃がしてやる方法だ(輻射(ふくしゃ))。
周囲の温度が体温以上になると,伝導,対流,輻射では熱がからだに入り込むことになるので,熱を逃がすには汗をかいてからだを冷やす方法(蒸発)しかない。
汗が乾くときに熱が逃げていくので,かいた汗を拭きとってはいけない。
私のようにリタイアして冷房した家の中に巣ごもりできる人はともかく,暑い日に屋外で一生懸命働いている方々はとても偉いと思う。
暑さ対策をしないで熱中症になると命を落とすこともあり,別の意味でエライことになるので,そうならないよう気を付けていただきたい。