前回のブログにも記したように,国勢調査で人口が把握される。
年齢別人口をみると65歳以上の老年人口割合は戦後,一貫して増加している。
終戦間もない1950年に総人口に占める割合が約5%であったものが,現在は30%にせまる勢いだ。
まわりを見渡したとき,少なくとも4人に一人は65歳以上の人がいる計算になる。
四半世紀後には3人に一人以上と推計されている。
老年人口が生産年齢人口(15歳以上65歳未満)とは区切られているように,私たちシニアは生産的でないと一般的に思われている。
実際は現在の社会制度がそう思わせているだけと感じるのだが。
しかし,残念ながら身体の老朽化には抗えない。
人間でもモノでも長年使い続けているとガタが出てくる。
下の表は十年前に65歳以上の住民を対象にある調査をしたときの回答結果の一部だ。
4つの地域で調査したもので,Nは調査した人数。
どれくらいの方が病院通いをしているかを受療者割合で示している。
数字からもわかるように,どの地域でも半数以上の方が病院通いをしている。
年齢構成にもよるが,秋田にいたっては65歳以上で約8割の方が治療を受けている。
こうなると,治療を受けているお年寄りが普通の人で,受けていないのが異常な人のように思えてこないか。
表の右側に治療を受けている方がどんな治療を受けているかを示している。
およそ半数の方が高血圧の治療を受けている。
それ以外にも心臓病や高脂血症(脂質異常症)など,循環器にかかわる症状をお持ちの方が多い。
一年間に治療にどれくらいお金が使われているかを見たものに国民医療費がある。
国民医療費は年々増加して国家の財政を圧迫している。
2016年度の資料によると,65歳未満では治療に要した費用が人口一人当たり18万4千円であるのに対して65歳以上では人口一人当たり72万7千円となっている。
・・・。
お年寄りを生産的かどうかという価値観だけでみてはいけない。