今日8月15日は終戦の日。
終戦記念日ともいうが,やはり記念日という言葉のめでたい響きには違和感がある。
戦争について経験した父にもっと聞いておくべきだったが,私から詳しく尋ねることはしていなかったし,父の方から積極的に語ってくれることもなかった。
母や兄から伝え聞くところによると、父は日中戦争に従軍した。
航空基地で軍用機の整備をしていたようだ。
戦後,父が亡くなった後,しばらくして母に「日中戦争では日本兵が民間人など多くの中国人の命を奪うようなこともしている。」という話をしたことがある。
(父は南京にいなかったと思うが。)
母は少し沈黙した後,「戦争というのはそんなものだ。」と言った。
普段は相槌を打ってくれる母なのに,そのときは予期しない返事があったことを覚えている。
子ども心に、母は日中戦争を戦った父をかばっているのではないかと感じた。
「戦争というのはそんなものだ。」といった母の言葉はその通りだ。
平和なときは人ひとり殺されても大事件なのに。
私たち一人一人に親がいたり家族がいたり、人生があったりして、そんなことを想像したら殺し合いなんかできないと思うのだが。
上官から命令されたら、人間がおかしくなるのだろう。
夏の高校野球を中継するテレビをつけたまま、少しだけ戦争のことを思った。