外出自粛で自宅に巣ごもり状態になると体がなまる。
これまで毎日のように会社や工場に出勤して働いてきた現役の方々にとって,一日中,家にじっとしているのは苦痛だろう。
私たちは動物で文字のごとく動き回ることが大きな特徴だ。
体は基本的に動くように作られている。
私たちは体重の半分の重さを占める約200種類もの骨格筋をかかえ,それらを収縮させながら体全体を動かしている。
心臓や肺も骨格筋が収縮し続けるように働いている。
したがって,家にじっとしているわけにはいかずに近所を散歩したり,ランニングしたり,屋内ではネットの動画を参考にしたり,自分で工夫して体を動かしている。
体力の維持,増進を意識して真面目にやっているのであれば,それはもうトレーニングといってよい。
ただし,トレーニングの領域に足を踏み入れたなら,トレーニングの特徴を知って取り組むべきだ。
トレーニングというものがもっている特徴は「トレーニングの原理」と呼ばれているようで,三つの大きな特徴がある。
一つ目は「過負荷の原理」というもので,日常的に経験する以上の負荷をかけないとトレーニングにならないという特徴だ。
例えば筋力についてみると,日常的に発揮している筋力は最大筋力の20~30%であり,筋トレでは少なくともそれ以上の負荷をかけなければ筋力が高められない。
二つ目は「特異性の原理」で,トレーニングの仕方はその目的に応じて異なるという特徴だ。
例えば筋トレは筋力を高めるため,ランニングは心肺機能を高めるためにおこなわれる。
三つ目は「可逆性の原理」で,トレーニング効果は長続きせず,トレーニングしないでいると元に戻ってしまうということだ。
トレーニングは継続しないといけない。
これらの特徴を頭に入れてトレーニングに取り組む必要がある。
リタイアして自宅で過ごす時間が多い私も外出自粛中のようなものだが,体がなまらないようにしなければならない。
今,実行しているのはトレーニングと呼べるかわからないが自宅マンションの非常階段の昇り降りだ。
毎朝,新聞を取りに地上階まで176段の非常階段を一往復している。
私にとってトレーニングの課題は,「可逆性の原理」を克服することだ。