先月の全仏オープンテニスの女子ダブルスで日本人選手が失格になったことが話題になった。
日本人選手が試合の合間に球拾いのボールキッズに返したボールがボールキッズを直撃し,審判から警告を受けた。
ところが,試合相手の選手は警告だけで済まないのではないかと抗議をし続けたので,審判は判定を覆して日本人選手を失格にしてしまった。
この件が報道されると,抗議をし続けた相手選手にはSNSを通じて世界中から非難の声が寄せられた。
非難の詳細を読んではいないが,およそ相手選手のミスを騒ぎ立ててスポーツマンシップに反するというものだ。
女性ならスポーツウーマンシップでないのかということが頭に思い浮かぶが,そうでもないらしい。
男女ともヒューマンというようなものだ。
スポーツマンシップとは何か。
シップというのは接尾辞で,この場合は「姿勢」をあらわす。
スポーツをするときの態度だが,「フェアプレーに努め,試合相手や審判に敬意を払う態度」とでもいうべきもの。
先の全仏オープンテニスで非難を受けた女子選手の場合は,試合相手に敬意を払うことなく,逆におとしめたようになってしまったことがスポーツマンシップを好む人々の怒りを買ってしまった。
プロのスポーツ選手として何とかして勝ちたいという気持ちがあったのかも知れないが,そういうことでいいのか。
スポーツマンシップを求められるスポーツ選手たちではあるが,「健全な肉体に健全な精神が宿る」とは限らない。
むしろ,健全な肉体と健全な精神は何の関係もない。
健康的な肉体を持つスポーツ選手がいたとしても、人格者でもあると考えてはいけない。
有名スポーツ選手たちの不祥事の数々を見聞きすることでもわかるだろう。
「健全な肉体に健全な精神が宿る」は古代ローマの詩人の文章の一節「You ought to pray for a healthy mind in healthy body.(英語訳)」を日本人が誤って意訳したようだ。
健康な体で健康な精神であるように祈りましょうと述べているだけのこと。(本ブログ2021年1月27日付「スポーツを楽しむ」参照)